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この日、この一瞬。 ここにこんな木があったと誰が知りましょう。
細い枝は蔓のようにからみつき
この日、この一瞬。
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「花はいやましに見えし也。これまことの花なるが故に、 能も枝葉もすくなく老木になるまで花は散らで残りしなり」(花伝書) 世阿弥は、人生の最後に咲いた花こそまことの花だと、繰り返し説いた。 たとえば白洲正子は、執拗にその言葉の真意を追い求め、 晩年は能の鑑賞に没頭したという。 私はこの写真を見た瞬間、どうしてか、友枝喜久夫という能の名手を書いた 『老木の花』という白洲の短い随筆を思い出した。
枯れ果て、苔むし、今にも土に同化しそうな、
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